GISフォーラム&EE東北’24の参加レポートを公開!

 

GISフォーラム&EE東北’24の参加レポートを公開!

2024年6月25日

みなさん、こんにちは。
最近は日差しも強くなり、本格的な夏の到来を感じさせますね!

このたびトライポッドワークスは、5/23(木)~5/24(金)に東京ミッドタウンで開催された「GISコミュニティフォーラム」、6/5(水)~6/6(木)に宮城県仙台市の夢メッセで行われた「EE東北’24」にそれぞれ参加し、弊社が開発に携わったサービス、「建設向けAIダッシュボード」の取り組みについて講演や展示を行いました。
今、話題の技術や注目されているこれからのテクノロジーと弊社のサービスがどのように関わっていくか考えさせられる、たいへん貴重な機会でした。

簡単にですが、以下の参加レポートにまとめましたのでご興味ある方は是非ご一読ください!

【GISコミュニティフォーラム&EE東北’24】参加レポート

業界から注目!
建設向けAIダッシュボード

まず「建設向けAIダッシュボード(以下、AIダッシュボード)」とは、宮城県内の建設会社である株式会社丸本組(※1)と弊社トライポッドワークスとの共同開発で、現場の施工実績を映像、GPS、AIを活用して自動解析する建設向けのソリューションサービスです。

現場にカメラを取り付け、その映像を解析することにより重機の稼働時間、掘削量などをグラフ化しダッシュボードに表示します。
重機は種別ごとに稼働率がわかるので、工事の進捗とともにどの工程の重機が動いていないかがわかるため、重機投入の見直しにも使え、施工効率がアップします。

そもそも映像にはさまざな情報がとりこまれていますが、利用者がそのまま使うにはデータが膨大過ぎて、録画した動画時間と同じ時間を使って振り返ったり、確認したりするのは困難だという課題があり、それは建設現場でも同じことでした。

こうした「膨大なデータからAI等の先端手法を取り入れながら、効率性や安全性、業務改善に寄与する情報を生み出し活用することが出来ないか?」それが私たちのサービスの出発点となっていて、AIダッシュボードもその1つです。

日本だけじゃない!
世界で盛り上がるGISサービスのコミュニティフォーラムで講演

5月23日〜24日にかけて東京ミッドタウンで開催された第21回GISコミュニティフォーラムで、この「建設向けAIダッシュボード」について講演を行いました。

きっかけはAIダッシュボードの機能拡張のためにGISシステムの導入を考えていた時に、GISサービス導入候補であるEsriジャパン社のGISプラットフォーム「ArcGIS Online」をEsriジャパン社の方と意見交換をした際に、我々のAIダッシュボードを「おもしろい!」と関心を持っていただいたことです。このご縁でフォーラムにて講演させていただくことになりました。

GIS(Geographic Information System)は、地理・空間データを収集、管理、分析した結果をマップ上に表示する地理情報システムで、建設分野だけではなくさまざまな活用をされています。
このフォーラムでも、地震の被害状況をGIS化(マッピング化)したり、自治体の復興デジタルアーカイブに使用したり、と様々な分野で活用されている事例が紹介されました。アメリカ本土で開催される世界最大級のGISイベント 「Esri User Conference」は5日間に渡り開催されたりと、業界・分野に囚われず世界で注目されています。

AIダッシュボードにGISサービスを取り入れたことにより、リアルタイムな重機使用状況のマッピングが可能となり、施工管理の効率化につながったことを、宮城県石巻市の河川工事現場での実証実験の様子も絡め講演しました。

東北最大級の建設系展示会
EE東北’24に出展!

EE東北’24は、6月5日〜6日、宮城県の夢メッセみやぎで開催された、東北最大級の建設向け技術展示会です。
今回は、共同開発社である株式会社丸本組様にAIダッシュボードも展示させていただきました。

インフラDX大賞(※2)を受賞してから、ありがたいことに業界で注目していただく機会が増えたのですが、今回の展示会でもAIダッシュボードを事前に知った上でブースまで足を運んでくださる方がいたりと、EE東北のイベントの大きさとAIサービスの注目度の高さを実感しました。

EE東北全体では、現場でのAI活用の出展は少なかったように感じましたが来場者の関心も高く、建設業界においてもAIに対する期待を感じさせる熱量の高い展示会でした。今回の展示会、そして「AIダッシュボード」を通じて、より使いやすく、現場の助けになるソリューションを生み出していけるよう邁進していきたいですね。

建設現場にも活用が注目されているAI技術

昨今、情報通信技術を活用したICT施工は国土交通省が推進する「ステージ2」と呼ばれる段階にきています。(※3)

「ステージ2」とは、土木などの工事種別の単位で作業を効率化するだけではなく、ICTにより現場の作業状況をデータ分析し、工事全体の生産性向上を目指す取り組みの一つです。
今後「ステージ1」「ステージ2」で得た分析結果をただ単に見える化するだけでは、生産性向上という目的達成においては不十分だと感じています。

例えば、「異常を検知したら自動的にアラームをあげる・メールを通知する」「分析結果をもとに工事工程で必要と思われる材料のおすすめや費用の相場を表示する」など、自律的に利用者や作業者をサポートするようになっていくともっと現場の役に立つシステムになるんじゃないかな、と思ってます。他にも作業者と作業者のサービスマッチングの自動化も良いなと思ってます。ボタン一つで必要な工程の作業者を確保できたりしたら面白いですよね。

今回フォーラムや展示会を通して、AIを建設現場に活用していくことへの興味を持っている人が想像よりもずっと多かったと感じました。まだICT化は十分浸透していないところもある分野かもしれませんが、少しずつ次の段階に進んでいると感じています。

参加イベント開催概要

第21回GISコミュニティフォーラム
2024/5/23(木)~5/24(金)に東京ミッドタウンで、地理・空間データを収集、管理、分析、表示するGIS(地理情報システム)の知識を共有し、その利用促進を目的として開催。
GISコミュニティフォーラムは、米国に本社を持つEsri社が開発したArcGISを使用する企業によって構成された『ArcGISユーザー会』が主催しており、日本からは内閣官房や国土交通省、環境省といった政府関係者も参加する権威あるフォーラム。

EE東北’24
2024年は6/5(水)~6/6(木)に宮城県仙台市の夢メッセみやぎで開催。
国土交通省が主催しており1990年から開催し、建設事業に関わる新材料や新工法、
時代のニーズに対応して開発された新技術を公開し、その普及を目的としている。
また、今年は2日間の合計参加者数が17,100人となり過去最多の来場者数となった。

注釈

※1 株式会社丸本組
宮城県石巻市に本社を置き、土木、建築、漁協、湾港といった幅広い分野に携わり、地域の未来を創造する総合建築会社。「空から、見えるいい仕事」を目指し、新しいふるさと創り、まちづくりに挑戦。
2020年より建設向けAIダッシュボードの共同開発を開始。

※2 インフラDX大賞
令和5年度 国土交通省「インフラDX大賞」の「i-Construction・インフラDX推進コンソーシアム会員の取組部門」において、本事業であるAI解析・施工実績ソリューション「AIダッシュボード」は最高賞である「国土交通大臣賞」を受賞。

※3 ステージ2
国土交通省が建設関連の生産性向上を目指す「i-Construction」をさらに発展させた「インフラ分野のDX」におけるICT施工プランの段階的な指針。
「ステージ1」では工種ごとの作業効率化を目標としており、2024年は「ステージ2」として工事全体の生産性向上を目指している。

【関連】「建設向けAIダッシュボード」がEE東北’24に出展!

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